クリぼっちへの贈り物

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 一人ぼっちのクリスマスについて書いた処、思いがけずクリスマスの様々が届けられた。
 まずいたいけな少女が立派なシクラメンを抱えて現れた。明日からニューヨークのパパのもとへ、クリスマスを過ごしに行くという。共にいくママの企みに違いないのだが、少女にとっては夢のツアー、一生クリスマスはニューヨークと対の思い出になるだろう。
 ノェルの紅茶はフォションからだ。エリカのココアもどっさり贈られてきたので、その日のお天気次第、猛吹雪ならココア、静かなパウダースノーならノェルティになる。近頃の移り気な気候には、いつでも対応できるように準備しておかねばならない。
 インドの貴族からは、デメルのシュトーレン、それに村上開新堂のクッキーでティタイムはベスト・コンディションだ。フェレンツェPAMPALONIの銀器に箔座の金箔を散らして、皇室御用緑寿庵清水の金平糖が良く似合う。
 パリから送られてきたノエルのペーパー・シルエットは景色に景色が重なってくるみ割り人形のドロップを想像させてくれる。これに何年か前に流行った踊るサンタを引っ張り出してくれば、クリスマスのセットアップ。極め付のプレゼントにアルマーニのワイド・スカーフが飛び込んできた。首に巻けばクリぼつちも何処かへとんでいってしまう。
 隣の佐久では、空からサンタの乗った熱気球が降りてきて、子供達にお菓子をくれる。
 五月の町のイベントが、クリスマスの夢になっている。


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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