オレンピック・エンブレム盗作について

by

in

オリンピック・エンブレム盗作について
 五輪エンブレムの盗用疑惑によって、あちこちで炎上しているのが佐野研二郎の仕事だ。
ベルギーのデザイナー オリビエ・ドビ氏は、リェージュ劇場と共に国際オリンピック委員会に五輪エンブレムの使用差止めを申請した。
 このことをきっかけに佐野研二郎の仕事には、デザイン盗用または疑似アレンジの実績が多いと、ネット上には20以上の例が出現している。
 さすがサントリーのトートバック・デザインについては逃れられないと悟ってか、30点中8点について、デザインスタッフの複写だったと認めた。
 そもそもこの佐野研二郎という人の博報堂出身というのがひっかかった。代理店ビジネスというのは本質的には媒介ビジネスであり、業務の代理をしてマージンを稼ぐのが、業務の中心だ。
 オリジナリティが無いとは言わないが、デザインそのもののオリジナリティを求めて高みを目指した人達ではない。仲介をするという長年の意識が、デザインの独創性を失わせているともいえる側面がある。つまり盗作にもつとも近い商売が、代理店ビジネスともいえよう。
 プロに判らなかったデザイン類似が、ネット上ではすぐにばれた、と言う事実も情報ツールと言う点から興味をひく。
 日本のデザイン教育の実態を承知しているわけではないが、欧米に於いてはフリーハンドのデザインが多いのに対し、この国はコンパスと定規による画一的なデザインが横行しているように感じる。全盛期のアメリカンなデザインの流れから一向に抜け出していない。
 オリンピックのエンブレム・デザインにしても直線と円だけで構成され、人間の手仕事を少しも感じない。圧倒的なオリジナリティ不足はいなめないのだ。


コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


カテゴリー


月別アーカイブ