10月17日「エマニュエル夫人」のシルヴィア・クリステルが亡くなった。
1974年、22歳のファツション・モデル、クリステルは歴史上初めてのソフトコアポルノの主役として登場した。全編ソフトフォーカスのこの映画はピェール・パシュレのテーマ音楽とともに、世界中で大ヒットし、公開から4年間で700万人以上の観客を動員した。筆者も有楽座の立ち見でどきどきしながら見たことを思い出す。
ショートカットの髪、あどけなさの残る表情、幾重にも巻かれた真珠のネックレス、形のいいひかえめな乳房、背の高い豪華な籐椅子に座ったエマニュエル像は、新しい性の女神として世界中の人々の脳裏に焼き付いた。
飛び級4回、4ケ国語堪能、20才でミス・ユーロビジョンに選ばれた彼女の知能指数は、165と聞いた。頭が良いといわれているマドンナさえ140、シャロン・ストーン154、ヒラリー・クリントン140、IQ165に並ぶのは、ビルゲイツとモーツアルト位しかいない。
ひょっとすると知能指数と女性に於けるセクシャリティは比例するのかもしれない。かってドラマを演出していたとき、大胆なラブシーンをこなしてくれたのは、いわゆる頭が良いといわれている女優さんたちだった。頭の悪い女優はラブシーンの工夫がない。マグロ状態の先に局面が進まなくていらいらしたことが度々あった。女性にとって、ラブシーンは集約された人生観の具体化なのかもしれない。
クリステルの演じたソフトコアはやがてハードコアに押され、役割をおえたが、彼女の上品なラブシーンは、映画史のトピックスとしていつまでも語り継がれるだろう。
エマニュエル夫人IQ・165
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プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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