広島・長崎・福島…世界でただ一国、三度も核に被災した経験を持ちながら、核に対する政策不在の野田民主党政権とはなんだろう。
ドイツでは、既に哲学者、倫理学者、経済人、原子物理学者、政治家からなる賢人会議で、「原子力発電を認めない」と言う国家政策を決定している。
アメリカでさえも、使用済み核燃料保管政策の見直し決定まで、新たな原発設立認可と、運転期間延長の認可を停止すると、原子力規制委員会が発表した。
ところが肝心の野田政権は、エネルギー政策について何一つ決められず、世論を逃げ道に次々と聴取会だのパブリック・コメントだのを集めて、しかる後政策を発表すると世迷言を言っている。
政治家としての見識を国民に問う絶好の機会であるし、国民もまたそうした政府のイニシァチィブを期待しているにも拘わらず、何もしない政治家とはいったいなんだろう。
東電の社員をサクラに入れての、全国縦断の鳴り物入りだった「原発意見聴取会」、あまりに稚拙な議事進行テクニックにより見事に失敗、ならばと「討論型世論調査」なる民意反映のコロモを纒った会議をあちこちで試みるも、政府の思惑通りにはならず、これも失敗。なんとか政府財界の要望ラインに世論を近づけたいと、みたび「パブリック・コメント」なる意見公募を実施、これも目下のところ思わく通りには進まず、政府はついに「専門家会議」を設置して、意見を集約すると言い出した。
これでは維新の会に、何も決められない政治と揶揄されても致し方ない。
野田首相には哲学がない。世界観がない。どんな国家を作りたいのか、政治家としての思想は皆無なのだろう。エネルギーという国家の根幹にまつわる問題を、衆愚に託そうとする政治の無責任さには言葉もない。
エネルギー政策のない民主党政権
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プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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