アンカーマンの大掃除

by

in

アンカーマンの大掃除 アンカーマンの大掃除 アンカーマンの大掃除
 「春がきた」という唱歌があったが、春の呼び声はどことなく嬉しい。
 信州ではあちこちの陽当たりのいい斜面に黄色い小さな花が咲く。福寿草である。福寿草のしたには金銀財宝が隠されていて、春になると忘れないでねーと咲くのだという貧乏人のかすかな希望の夢を語っている。
 テレビの画面上でも、春とともに何人かの人々が入れ替わることになった。
 1993年から23年間司会を務めた國谷裕子さん、クローズアップ現代という土俵で充分に仕事をしたので悔いはないだろう。58歳という年齢を考えても、これ以上は無理だ。あらゆるジャンルを取り上げるクロ現にはもう少しカロリーのある人のほうが良いかもしれない。
 文春恒例の嫌いなキャスター投票で、ここ数年トップを走っているのが古館伊知郎だ。
 この人にはニュースを取り上げるだけの素養がない。教養の無さが視聴者にバレている。重大なニュースと向かい合っても、たた声を張り上げて強調するだけ…下手な子供芝居とかわらない。プロレス中継とまったく同じ口調では思慮、思想を要求される報道ステーションでは通用しない。視聴者はかえって小馬鹿にされたような気分になって結果、嫌いなキャスター・ベストワンになってしまうのだ。
 古館降板が伝えられた時、社内では誰も悲しまなかった、とどこかの週刊誌にあったが、けだし当然といった空気がテレビ朝日全体に流れていた。
 岩井成格、毎日新聞主筆を務めていた関係からか、新聞紙上に於ける論説とテレビ画面上のアンカーマンの役割を誤解している。世論誘導という面からも、テレビと新聞では全く異なる。そのためアメリカ、ヨーロッパでは、アンカーマンのニュースに対する主観的意見は封印している。
 岩井はアンチ小沢で、小沢一郎追い落しに大きな役割を果たし、さらに安保関連法案でも、メディアは廃案に向けて声を出し続けるべきだとアジっていた。 土俵を間違えた論客というべきか。
 この国の左翼はとめどもなく水漏れしている。


コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


カテゴリー


月別アーカイブ