アイドルに恋愛の自由はない

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アイドルに恋愛の自由はない
 アイドルの恋愛は自由か、それとも不自由か。
 同じ東京地裁の裁判官が、全く方向の違う判決を出したため、アイドルたちの心が千々に乱れている。
 アイドルを志したとき、事務所側から提示される条件の一つに「恋愛禁止」がある。アイドルに成りたい一心から、少女は素直に従う。ところがその後の環境の変化や、ファンの誘惑に勝つことが出来ず、ホテルへ同行してしまった。一人ならまだしも二人も同時に淫行に走った。
 かくして「青山☆聖ハチャメチャハイスクール」は解散に追い込まれる。
 6人のうち、2人が私的交際に溺れたのでは、まずアイドルは無理と事務所は判断し解散を決めた。
 事務所は損害賠償を求める裁判を起こし、裁判所も少女側に65万円の支払いを命じたのだ。「アイドルである以上、ファン獲得には交際禁止の規約は必要で、交際が発覚すればイメージが悪化する。」というのが、判決の理由。
 一方、同じような案件で全く違う判決がでた。
 「異性との交際は幸福を追求する自由のひとつで、アイドルの特殊性を考慮しても禁止は行き過ぎである」として請求を棄却した。
 がそうした奔放派にたいして、身を正して仕事に集中する正統派もいる。
 どこの社会にいっても、仕事や所属する会社が不利益になるような行為は許されない。契約を破るのには、責任をかぶる覚悟がなければならない。恋愛だから自由だというのは、サカリのついた動物の理屈だともいえよう。ましてやアイドル達も自分ひとりではなにも出来ず、事務所の先行投資あってこそのアイドル稼業と認識しなければなるまい。
 ましてや10代の未成熟な女の子の行動には、火遊びと恋愛の区別も難しく、さすがの優秀な裁判官も股裂き状態になってしまつた。


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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