アイドルと女子アナ好きの歌舞伎役者

　近頃の歌舞伎役者はグラビア・アイドルと女子アナに弱い。
　というよりグラビア・アイドルと女子アナの術策にまんまとはまっている。歌舞伎の狂言外題もまったく読めない彼女たちにとって、梨園の女いうのは魅力百％のポジションなのだろう。
　役者のほうもシキタリと格式のなかで育ってうんざりしているところに、パチパチのアイドルの登場とあれば、あっさり陥落する。あまり勉強せず家門の誉れで出世したとあれば、見た目に知的そこそこの美貌の女子アナにもコロリと参る。田舎出身の女子アナほど物知らずな痴人ということが見抜けない。
　梨園の色男といわれているラブリンこと愛之助と崖っぷちアイドルの熊切あさ美、イケメン・プリンスと呼ばれている尾上松也とパンツ丸出しの元AKB前田敦子など、グラビア・アイドルの下世話なパワーをまざまざと見せつけている。
　かって歌舞伎や相撲のことなどなにひとつ判っていなかった宮沢リエが、死んだ勘三郎を追いまわし、貴乃花と婚約破談を繰り返して世間を賑わしたが、こうした例は枚挙にいとまがない。
　三津五郎も宝塚の男役寿ひずると結婚後、一見理知的なデキ婚の常習犯近藤サトと不倫を繰り返し、やっかいな人生を送っている。
　こうした歌舞伎役者のなかで抜群の選択をしたのが、名門尾上菊之助、江角マキコの罠をぎりぎりのところで避け、中村吉衛門の四女瓔子さんを選んだ。彼女は歌舞伎の家に育ち和光の外商で訓練されているので、贔屓筋の扱いも慣れているし、なによりも将来の菊吉時代という歌舞伎の明日まで見据えた嫁の選択だった。
　こうした聡明な若手がもっといてくれたら、歌舞伎の未来も明るくなる。