1962年湖池屋「ポテトチップス」の量産化に成功、1964年カルビー「かっぱえびせん」発売、1968年明治製菓「カール」発売、以来半世紀、昨年スナック菓子総生産量222430トン、60グラム入りの袋で換算すると37億袋、生産額約2830億円になる。これらのスナックの味覚をつくっているのはいずれも素材+「塩」「砂糖」「油」それに「うまみ調味料」、それらのひとつひとつが「おいしい」と感じるバランスで作られると、脳が快楽を感じるようになり、限りなくドラッグに近ずくそうだ。すべてが「やめられない、とまらない」。覚醒剤、麻薬などのハードドラッグ、アルコール、ニコチン、カフェインなどのソフトドラッグにつぐマイルド・ドラッグに当たるという。各種清涼飲料水とスナック菓子の組み合わせは、マイルド・ドラッグの最強コンビだそうだ。
ビール、タバコ、コーヒーを子供に与える親がいないように、スナック菓子のドラッグ化には一刻も早く手を打たなければならない。病院を訪れる小児肥満のほとんどがスナック菓子大好き、耐糖脳障害、高脂血症、脂肪肝、高血圧、動脈硬化の合併症を起こしている場合が多い。
こうした食のドラッグ化はコンビニのおにぎりにも及んでいる。梅干し、鮭、おかか、コンブなどのシンプルなおにぎりが少なくなり、とんこつおむすび、ぴざにぎり、えびまよむすび、などマヨネーズやケチャップなどの混成ご飯がどんどん増えている。朝は白いご飯という伝統的な食生活はあっというまに後退し、朝から赤いご飯、黄色いご飯が当たり前になった時、すべての日本人はドラッグ化されて酒井ノリピーの後塵を拝さなければならない。スナック・ダイエットなどと称し、ウェスト細くなりたい高校生が、スナックだけで食を充たしている現象などは危険きわまりない倒錯風景なのだ。
やめられない、とまらない。
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プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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