江戸のマルチクリエーター・平賀源内の考えたキャッチコピーというのが面白い。
夏場不人気の鰻やの旦那が、平賀源内に相談したところ源内は即座に「本日土用丑の日」と書いて渡したといわれている。
昔から江戸の都市伝説として、土用丑の日には「う」の字のつくものを食べると夏負けしないというのがあったらしい。
うどん・うり・うど・うし・うま・うさぎ……そこにまんまと乗じたのが「うなぎ」だった。
そもそも鰻は江戸前の元祖だった。
深川洲崎の松棒杭から品川宿の一番杭までが「江戸前」の漁場とされ、この間の東京湾に流れ込んだ鰻を最上の鰻とされ珍重されてきた。
浜松あたりから運ばれてきた鰻は「旅うなぎ」と呼んで下等のものとされてきた。それがいつの間にか「旅うなぎ」が最上位をしめるようにな った。江戸の故事にならえば、浦和あたりの鰻やで供される「坂東太郎」あたりが昔ながらの江戸前の鰻になるのかもしれない。
筆者はむかしは山王さんの境内にある「山の茶屋」が好きだったが、近頃なんとなく騒がしく、赤坂「重箱」を贔屓にしている。
文化文政の頃からの店で久保田万太郎の「火事息子」に登場している。大井川の伏流水で育てた鰻が、卵巣が発達していて甘味とうまみが抜群と自慢の「旅うなぎ」である。
銀座で小腹がすくと八丁目の東、「竹葉亭本店」へいく。
重箱、竹葉亭本店ともに座敷でゆっくりと楽しむ「うなぎ」が最高なのだ。
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プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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