そんなに買ってどうするの

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 日本人の買い物好きには呆れる。このほど軽井沢のプリンス・アウトレットが拡張した。駅に密着して南側には一大商店街が出来た。もとはゴルフ場だつたので、いくらでも土地はある。売れる限りは作りつずけよぅというプリンスの天晴れな欲望がみえる。
 ICのある南から、碓氷峠のある東から、善光寺平の西から、嬬恋のもっと北から、自家用車の列が続いて、週末はこの町のすべての国道は麻痺する。
 そこに夏休みがかぶって、別荘族がやってくる。町内随一のスーパーつるやの広大な駐車場は満杯になる。
JAの市場でも朝堀レタースやモロコシのの奪いあいだ。
 パチパチのパンツから肉の飛び出しそうなママのトップスは、なぜかシースルーのキャミソールだが、旦那と娘をほっぽりだしてワゴンのなかの赤札に突進する。食べ物や着るものに不自由している身体ではない。あらゆるワードローブは揃っているが、レジャーとしての買い物が止まらない。買い物に情熱をぶつけている。買い物という病気なのだ。
 バミューダにTシャツの旦那がベビーカーを押し、子供をつれて後に従う。横を通る娘たちも超ミニかショートパンツで透けブラ・スタイル、従う若者はモロコシ色の髪にゴムゾウリ、彼女の買い物のショ袋を両手いっぱいに抱え、汗だくで従っている。 …そんなに買ってどうするの。


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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