そして今、キラキラ社名

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 2006年の新会社法施行により、資本金一円から会社創りが出来るようになった。若い起業家にとってこんなに嬉しいことはない。無一文でも明日から社長になれるということだ。
 設立目的をさだめ、事業内容を確定してから、出資者をつのり、しかるのち社名を考える。そんな面倒なことは、当代の若者には通用しない。いきなり看板をあげる。
 「株式会社あいたい」ここでなぜ会いたいか、という設問は無駄だ。とにかく会いたい。自己都合だけを社名にするあたり天晴れだ。名乗るたびに無料の広告を打っているのと同じで、最初のあが、50音順の始めにくることが重要です。協賛企業30社と紹介されたとき、必ず始めにきますから。
 社訓は”究極の自己満足。私たちあってのあなた”「変態企業カメレオン」という名のIT企業、企業は時代状況によってカメレオンのごとく、変態していかなければ生き残れないというのが、命名の趣旨。変態して行方知れずというのも想像できる。
 「経理の特命レスキュー隊」「有限会社しいたけブラザース」業務内容もよく分かり、近頃の名前としてはマルかもしれない。
 初めは僕という接し方をしてお客様との絆ができたら、俺に変えられるような関係を築きたい、という営業代行業は、東池袋の「株式会社僕俺」。
 社名を言えば、ツカミはOKといのは「株式会社人間」、情熱こそが人間のもっとも輝けるときという「株式会社情熱」、「トラパンツ」「どんとこい」「X」「すごい会議」「応援団」等など、演奏グループの横文字志向、英語名の日本人、ならぬキラキラ社名の若い会社が、どんどん登場している。これらキラキラ社名の少しでも長く続くことを祈るやせつである。


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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