くたばれクール・ビズ

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首相になったと思ったら、辞めていた長野出身の総理大臣がいた。夏になるとサファリ・ジャケットの袖をちょん切った不思議なバランスのスーツを着ていた。 政治哲学はあまり感じず、人がいいだけの総理だったが、このクールビズのさきがけのような夏服をきたときだけは、かなりドヤ顔で記者会見に応じていた。この変なファッション・センスはいまも息子の代議士に受け継がれている。
 節電の夏を迎えて、あちこちでドレスダウンし、スーパー・クールビズとばかりにチャライ感じの服装が大流行になっている。
 千葉大理学部の教授が、個人から節電運動のきっかけにしたいと、スカート姿で授業を始めたと某大新聞にとりあげられていた。足首までのロングスカートを穿いての講義だ。女子学生はショートパンツにひらひらのキャミソール姿、こっちのほうがよほどクールビズになっている。知能指数は高い筈の教授がタンパンより、ロングスカートの方が節電効果ありと判断したのだが、やっぱり変としかいいようがない。
 内閣でも沖縄のカリユシならオーケイだとか。それが沖縄の正装だからという説明だが、これもやはりへんだ。アロハ・シャツもオーケイ、ハワイの正装だから、これもおかしい。「外国の正装ならすべてオーケイ」というのは、あまりにも稚拙な考え方で、すこしは自分で考えたらといいたくなる。今年の夏みたいな酷暑と寒い嵐が脈絡なくやってくると、通達通りのお役人はどうしたらいいか判らなくなり、アロハの重ね着があるいていた、というのには笑わせてもらった。
 節電のドレスコードぐらいは、ご自分できめられたらといいたい。スーパークールビズなどというデパートの販促みたいなチャライ風に影響されることはない。


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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