子供達と銀座のオミズに、密かに流行っているもの、それが「お盆玉」だという。
山梨の祝儀袋メーカーが、正月はよし、冠婚葬祭もまずまず、不祝儀、葬式はこれから増える一方だが、どうも夏時の商戦が上手くいかない。
そこで考え出したのが、お盆時故郷に帰って来た孫たちに、お爺ちゃんお婆ちゃんが与えるおこずかい、それ用の小袋をなずけて「お盆玉」とした。一向に売れなかったが、3年後突然に日本郵便から、全国2万の郵便局におきたいという注文がはいった。
「お盆玉」で夏のコミュニケーション、新習慣!夏休みのおこずかいは「お盆玉」で、郵便局どころか東急ハンズにまでお盆玉コーナーができた。
金銭で人間同士の心をつなぐのは、なんとも下品な行為だし、そんなことを考えるメーカーも好きになれないが、おこずかい欲しさの子供たちは、理屈抜きに嬉しく、お互いのお盆玉較べに発展している。
お金の動く仕掛けに、銀座のオミズが知らん顔の筈がない。お盆玉の小袋にキス・マークを付けたカードに
添え書きをして客に渡す、貰った客はなにがしか入れてお返しをするという寸法だ。
夏のポチ袋は、ひっそりと夜の遊び人と、子供達の間に浸透しつつある。
お年玉ならぬ「お盆玉」
コメント
1件のフィードバック
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茨城にいた時には
「盆小遣い」と言っておりました
おばあちゃんの家に行けば
いつでもお小遣いは出てくるものでしたが…
懐かしいです
プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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