いらない付加価値

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 パナソニックの冷蔵庫がスマート化したと宣伝にあった。細くなったのか、と思ったら、そうではなくスマホを本体にタッチすると、ドアの開閉回数がわかる。また冷蔵庫に入っている食材を判断して、レシピまで提案してくれる。こんな機能だれが喜ぶのだろうか、いらない。献立ぐらい自分で考えたらいい。ドアを何回開け閉めしようと、そんなの勝手だ、ほっといてほしい。
 シャープのテレビにはベル音を内臓し、目覚まし用の「お早うタイマー」か搭載された。目覚まし時計を駆逐しようという陰謀にちがいない。昔ながらの丸い時計に二つのベルがついた正しい目覚まし時計が憎いのかもしれないが、ふたつのベルの間をけたたましく鳴らして朝を知らしてくれるあの目覚ましはいじらしく、日本の庶民の朝にはジャストフィットのデザイン時計でもある。
 ニコンではWi-FiやGPS機能のいたデジカメを発表した。ツィッターやメールのやり取りの出来るカメラというのだが、どこかが違う。まさにすべてがガラバゴスになってきている。
 製品の優劣がなくなり、いわゆるコモディティ化して焦った果ての差別化のつもりのようだが、誰もそんなもの欲しがらない。サムソンやハイアールのシンプルながら、かっこいいデザインを見たら、売れている理由が解りそうなものだが、すこしもそこには目線がいかない。
 なんでもかんでもスマホと結んで「スマート家電」といっているが、消費者はスマートになりたくない。外からエアコンが操作できても、節電節電゛では意味がない。家電会社の人たちのアタマのなかをスマートにすることが、急務ではないだろうか。


コメント

1件のフィードバック

  1. 途中でつまらなくなるモノを、作っちゃ売り、の連鎖で、消費者を麻痺させる戦略もついにネタ切れになったようです。
    高級品を作るセンスが消え、安物競争では、韓国に負け、規格バラバラの電子書籍で、また負ける、懲りないオジサン達は、少しお灸が必要です。
    新聞に署名記事があり、舞台に演出家の名前を出すように!
    全ての量産品には、制作者・最高責任者の名前を出して、消費者の審判をあおいだ方がいいでしょう!

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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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