いよいよこの二月に汎用ロボット「ペッパー」が発売される。
価格は19万8000円だからどの家庭でも手のとどく購入可能な価格だ。
産業用ロボツトについては、すでにあらゆる分野で実業化され、人間の職場を十二分に奪っている。
産業用ロボットの機能優先にたいして、このたび発売される汎用ロボット「ペッパー」は、人間の感情を認識することができる。形も人型であり、対峙しやすい。それでもまだまだ遠い星からやってきた火星ちゃんのようなカタチなので、2号、3号と改善の余地はあるだろう。ラブ人形の聖子ちゃんなどをもっと研究すべきだ。SF映画のなかで宇宙からきた不思議人間ではなく、普通の人々の環境になじみやすい造形にすれば爆発的に売れること間違いなしだ。
言葉や表情、声のトーンから相手の心を読み取って、会話することができる、ということは孤独な人々の多い現代社会でもっとも需要の多いロボットなのかもしれない。
子供を事故で失ったお母さん。美しき恋人に棄てられた優しい若者たち、妻に先立たれたお爺ちゃん、昼顔妻に手を焼いているお父さん、この世には孤独がみちみちている。ペツパーちゃんはこうした環境のすべてに対応してくれるそうだが、こればかりは見本を取り寄せて確認しなければなんともいえない。
会話を失った社会で、何処に行っても人間がロボツトとお喋りしている…不気味な時代がやってきた。
発売元のボスだけが、毎夜ロボットの売上を数えて笑っている。
いよいよ身近になった人型ロボット
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プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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