「TELハラ」なる新しいハラスメントが話題になっている。
新入社員に対し、電話をうけることを強要してはいけない、ということらしい。ましてや電話番などという言葉はとんでもないという風潮があるらしい。あちこちのワイドショウが食いつき、「もともと電話になれていない世代なので、電話がなると緊張し、ストレスを受ける」と若者に迎合、職場における「TELハラ」撲滅にたちあがった。
呆れた話である。「そんなもの、いちいちハラスメントといって騒ぐ話じゃない。電話を取らせるのは新入社員教育の一環。電話番すらできない社員は即座にクビだ」という勇ましい意見もある。現実に筆者の事務所が六本木にあった頃、新入社員のもっとも重要な作業域として電話番をあげていた。そうすることによって自己の作業環境がわかってくるし、スタッフ、タレント、クライアントとの付きあい方を覚えていくのだ。
メールやチャットが当たり前の時代になっても、人間の声に接し、そこから反対賛成、喜怒哀楽の感情を読みとり、会話していく能力は絶対に必要なのだ。そのためのトレーニングこそが「電話番」である。
なんでもかんでもハラスメントといういまの社会の風潮はおかしい。
森喜朗元総理にたいする「ジェンダー・ハラスメント」はいい例である。現実にあった事象について述べたにもかかわらず、メディアと世論が一体化してひきずり降ろした。
一生懸命努力していた老人の実像に眼をつむり、言葉尻をとらえてハラスメン化する、いつから日本人はこんな愚かさを身につけたのか。
「TELハラ」馬鹿馬鹿しいハラスメント
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プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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