近頃、嫌いな言葉に「説明責任」というのがある。
主に野党が、与党を責めるときなどに使用する。安部首相は「説明責任」を果たしてない、等と声高に叫ぶ。この説明責任とセットで用いられるのに、もっと丁寧にに議論を尽くせ、というのもある。
問題は説明を受ける側の知性にある。言い換えれば理解力のない相手にいくら丁寧に時間をかけても無駄ということだ。野党民主党の知的レベルが問われている。
説明責任にも限度がある。あるていど説明しても理解されない場合、切り捨てて前に進まなければならない。200時間という異例な時間をかけた提案趣旨の説明への認識が皆無、想像力の乏しい人間に、いくら説明しても、無意味なのだ。時間は政治のなかで最重要なポイントだ。
目の前の自国、尖閣諸島への中国の脅威について心配している首相に対して、シリア問題には近寄るな、アメリカの犬になるなと大声を上げる。独立国としての自負は大賛成だが、戦争に負けた国民として、アメリカの疑似植民地として繁栄を貪ってきたことへの認識がゼロなのだ。この国の繁栄はアメリカの軍事力の傘のもとに隠れてやってきたことだという現実を認識していない。
世界情勢の変化に対応して、国民の生命財産を守らねばという政府の対応にたいし、「戦争法案」というすり替えをしてデモるなどは、反知性無教養のさいたるものだし、私の父は戦争にいって傷ついてきました、などと涙目で訴えるハチマキ女性議員には、知性のカケラもない。國会は言論の府であるし、数こそが決定権を
もっている。
そのうえ「国民は理解していない」などという発言はスリカエもはなはだしい。充分理解している国民も40パーセントから50パーセントはいるのだ。内閣支持率をみれば馬鹿でもわかることで、「国民は」 などとひとくくりにして理解してないというのは、国民に対し失礼だし、上から目線もはなはだしい。
野党はまず自分たちの不明を恥じるべきだ。
「説明責任」という嫌いな言葉
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プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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