「新しい生活様式」と簡単に口にする政治家や、ワイドショーの司会者を見ると、腹立たしくなる。
マスクをして、人と人が離れたって新しい生活様式ではない。劇場の客席に一人置きにすわっても生活様式の変更とはいわない。
一時的な単なるコロナへの防菌対策にすぎない。その言葉の軽さは、脳ミソの軽さでもある。
言葉を安易に使うのは、アジテーターか、芸人か、東京都知事ぐらいのものだ。
「新しい生活様式」といえば、大衆は喜んで受け入れるとでもおもっているのか。それとも本人は本気でそれが新しい生活様式と信じているのか、不思議な言葉使いである。
いろいろなものが記号化して、背景にある時間や風土が無視され形骸化している現実はある。すべての事象がコンピューターの支配をうけるようになったいま、ある程度は仕方ないとしても、言葉のもつ文化としての意味合いまで、コロナに乗じて破壊するのは悲しいオコナイと言わざるをえない。
武漢コロナとの戦いまで、ゲーム感覚で単純化するのは、人間の堕落ともいえよう。
「新しい生活様式」と軽々しく言う人は、生活に文化のない生活破壊者と思うべきだ。
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プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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